■ Sat.   November 17, 2007

悲しいお話

 ウッキー実家に帰った時、聞いた悲しいお話です。

 ウッキー実家の自治会は、夕方になると防犯のため住民パトロールがねり歩く。希望者で構成されているらしいのだけど、構成員はリタイアしたおじ(い?)様方が多い。

 その中にいつも黒いプードル(以下「黒プーちゃん」)を連れてるおじちゃんがいて、ウッキーが実家に遊びに行って、夕方ワンコのお散歩Timeにたまにお会いした。でもその黒プーちゃんは犬が大嫌いみたいで、犬という犬を見るなり「ガウガウ、ギャアギャア」吠え掛かっていた。

 当然、我家の「売られた喧嘩は買うぜ」隊は応戦体制。ウッキーは暴れる2匹を抑えるのに苦労していた。でもおじちゃんはニコニコしながら、な、なんと!ガウガウ言ってる黒プーちゃんをこちらに近づけようとするではないかっ!やめてーっ!!後でウッキー母に聞いたら、誰にでもそうらしい。

 そんな理由で、ウッキーはこのおじちゃん&黒プーちゃんを、とっ〜てもケアしていて、遠目で姿を発見するなり、ピュ〜っと他の道に逃げていた…のだが。

 今回ウッキー母にその黒プーちゃんが亡くなったと聞いた。まだ5歳になったばかりだったとか。

 黒プーちゃんはちょっと足の不自由なおじちゃんのために、娘さんが買ったのだそうな。おじちゃんにとって初めての犬で、それはそれは可愛がった。

 プードルはその可愛い容姿から想像しにくいが、IQのとても高い犬。IQが高いということは、飼うのがとても難しいということ。こちらがリーダーとしての威厳がないと、「飼い主より自分が上」と勘違いして、他の犬に吠える、言う事を聞かない、など問題行動が沢山出てくる。IQが高ければ高いほど、こちらのリーダーとしての資質をシビアに見てくる。(そんなわけで、ウッキーもまだ「友達リーダー」くらい…涙)

 黒プーちゃんがガウガウモードなのは、完全におじちゃんの溺愛のせいだと思うけど、おじちゃんにはそれが問題行動だって分からなかったらしい。

 ある日、おじちゃんは友達に「お散歩の時に黒プーちゃんをちょっと貸して」と頼まれた。人の良いおじちゃんは、快く黒プーちゃんを貸してあげた。

 ウッキー実家の近くには幹線道路があって、夕方は帰宅ラッシュも重なり結構な交通量だ。おじちゃんは黒プーちゃんを迎えに行った。幹線道路の向こう側で友達に連れられた黒プーちゃんは、大好きなおじちゃんに気付く。興奮した黒プーちゃんは前にダッシュして、その拍子に首輪が抜けてしまった!

 ワンコに赤信号なんて分からない。黒プーちゃんはおじちゃんめがけて道路を横切り、瞬間大きなトラックが黒プーちゃんを跳ね飛ばした。黒プーちゃんは、原型をとどめないくらい粉々になってしまった。バラバラになった死骸をおじちゃんは拾い集めた。どんな気持ちだったことか…。

 このお話で痛感するのは、犬を飼う人にもっと犬のことを学んで欲しいということ。犬は物じゃない。安易に人に貸すなんてもっての外。知らない人に引かれる不安な気持ちを、おじちゃんが知ってたら。そして訓練の大切さ。黒プーちゃんが引っ張らないことや、「ステイ」を知ってたら、と心から思った。

 おじちゃんの気持ちや、黒プーちゃんのことを思うと、ウッキーはとても辛い。救いは黒プーちゃんはおじちゃんに可愛がられて幸せだったと思うこと。だって、世の中には「物」みたいに簡単に買われて「物」みたいに捨てられるワンコが沢山いるんだもの…。

Posted by ウッキー at November 17, 2007 04:57 PM | Category : 94. Essay
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